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空き瓶

思ったことや自作小説について

映画 「君の名は.」 の感想

まえの記事で, 感想記事を上げたがすぐに消してしまったと書いたが, やっぱりもう一度トライしてみようと思う.

全体的な感想としては, 映像や演出は良かったが, ストーリーはそこそこ止まりという感想. 単純に大枠のストーリーが好みから外れていたのと, あと細かいところが色々腑に落ちなかった. 以降, 箇条書きで思いつくままに書いていく (ねたバレあり).


  • 「大枠のストーリーが好みから外れていた」 というのは, つまり, ハッピー・エンドで終わるとは思っていなかった. 隕石が落ちて死ぬ, これは避けられない確定事項とばかり思っていて, そのやりきれなさを味わう映画だと思って観ていた. だから, クライマックスのカルデラの縁で, 男主人公 ( [たき] ) と女主人公 (三葉 [みつは] ) が言葉を交わし勇気づけるシーンでは, とても悲哀を感じ心を揺さぶられた. 自分たち観客は, どうあがいても 「隕石が落ちて死ぬ」 ―― 彼女らの計画が失敗することを知っている, それを前提にしたシーンだと思っていたものだから. そんななので, 終盤で三葉たちが助かったと分かったときは, すっかり拍子抜けしてしまった
  • 全体的に詰めこみ過ぎに感じた. 例えば, 祖母の一葉 [ひとは] もかつて入かわり経験をしたらしい, 現町長の父は宮水家と確執があるらしい, といったことが, 仄めかし気味あるいは駆け足気味に語られているが, もの足りなかった. 重みや余韻が無く, 十分に活かされたようにも思えない *1. あえてすべてを語らないことで作品に深みを持たせる, そういう手法はあると思うけれど, 君の名は. においては, 単なる尺不足, 詰めこみ過ぎという印象を受けてしまった. 小説版やマンガ版があるようだから, そちらで補完してね, ということであろうか
  • 田舎と都会とのアンバランスを感じた. 三葉は都会生活に憧れているが, 対する瀧が, 田舎生活に憧れているようすは無い. むしろ小バカにしている. 彼が田舎生活に憧れていたら, 釣りあいが取れ, ふたりのあいだで入れかわりが起こったことも納得しやすいのだが ……. 三葉は神事に嫌気を差したままだし, 最終的に田舎には隕石が落ちるし, その後助かった勅使河原 [てしがわら] たちは都会でふつうにエンジョイしているようだし, 環境が正反対のふたりの入れかわりが核であるわりに, なんというか都会優位の話に感じてしまった
  • うまく言葉にできないのだけど, そもそも, 「君の名は.」 というタイトルに必然性を感じられなかった. "名" によって貫かれた作品には思えなかった. 入れかわりを経て恋愛感情が芽ばえていき, 時の亀裂を超えて相手を助けようとする. そういう骨子に比べると, 名まえを忘れるというのがどうもあとづけ的に思えるというか, 名が重要であることの説得力が感じられなかった (例えば, 「千と千尋の神隠し」 では名まえがキーになるが, それを疑わせない説得力があった). 名まえ以外にも, 入れかわりに関することをことごとく忘れてしまうのに, なぜ "名" を特別視する必要があるのか分からなかった
  • 一緒に観た父に, 「入れかわり中に時間のずれに気づかないのはおかしい」 と指摘されたが, 特にそうは思わない. 入れかわり中はそれこそ夢を見ているような, 全体的に曖昧で, 都合の悪いところがうまく補われる状態なのだと思う. そうとでも捉えなければ, 三葉が初めてのアルバイトを (一応) こなせていることも, だいたい不自然だ
  • ストーリーには関係無いが, 主題歌の RADWIMPS 「前前前世」 が合っているようには思えなかった. 映像負けしていた. が, 凄い勢いで売れていると知って, 父とともに目を丸くした

観たのが 3 週間ほどまえでそろそろうろ憶えなので, 的はずれなところがあるかも知れない.

*1:特に, あの祖母はなんなのやら. 入れかわり経験を持ち瀧の入れかわりも見ぬきながら, 肝心のクライマックスではでくの坊も同然で, 良く分からなかった

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